聖バレンタインデーに職場の方に頂いた貴重なショコラ。
あな嬉しや!
もちろん義理でございます。
大和撫子の優しさでございます。
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ラムールについて
ラムーっていうのよ、ベルギーで有名なチョコなのよ、という声が耳元で聞こえたような気がしましたが、あふれ出る感涙と嗚咽でまるで聞き取れず、わずかにもれ聞く声からは菊池桃子を想像しておりました。いつの間にももりんはベルギーで有名になったのか!と。
後で同僚に正式な名前を聞くと「ラムールドゥショコラ」ということで、なるほどそれならももりんは安心して労働問題に専心できるぜと思い(⇒客員教授 | 戸板女子短期大学)、頂戴したラムゥのお箱を恭しく開封させて頂く所存と相成ったわけです。
いやしかし、収納されたボックスのかわゆさよ。
本場ショコラのパッケージデザインはここまで進んでおるのかと。それとも自分が普段買う駄菓子のレベルで推し量るなこのラムー野郎!ということなのかと。
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ラムールチョコを実食!
ではそろそろ実食をば。
おお!
なんとかわゆい!
私のようなむさい男がこんなプリティなものを本当に頂いてよいのかと2時間ほど逡巡してしまった本場義理ショコラの輝きよ!(とくに真ん中のハートは目に痛すぎる!)
箱のままではあまりにも恐れ多いので、セレブ客用にしまっておいたスペシャルケーキ皿に移し替えて神棚にお供えしてから2度パンパン!と柏手を打って再び実食用意でございます。
いったい何から食すればよいのか・・・ムムム、とさらに30分ほど悩んだ挙句、やはり一番自分に似合わないハートを頂くべきだとの結論に至って、いよいよ実食タイム。カプリ、とおそるおそる噛んだ後にやってきた味覚は・・・
「こっ、これはっ!?」
意外に「あっさり」な感覚。
ブリだと思って食べたら太刀魚だったくらいのあっけなさと淡白さ。
赤く着色されたホワイトチョコでコーティングしたミニボールの中に詰め込まれた、これまたあっさりとしたココア味のチョコムース。
「ごっつぁんです」
手刀で2度3度目の前を切った後、恭しく東の方向に頭を下げたのでした。(チョコ提供者のお住まいでごわす)
「さてと・・」
お次はなんでごわすかなと、すっかり落ち着きを取り戻したじゅんたろう関取は、皿に残った2つのチョコをまじまじと見つめながら、「どれにしようかな、天の神様のいうとおり」と、指を交互に指し、やがて
「これでごわす!」
と止まった指の先に向かって大声で叫び、そのままむんずとチョコを掴むと、ガブリと半分ほどを噛み切ったのだった!
チョコボール型のそれは、関取の野蛮な一噛みであっという間に体の半分ほどを失ってしまい、あられもない中身を世間の前にさらしていた。そしてそれを見つめながら、「意外に歯ごたえがパねぇな」と、およそ関取らしくない言いぐさで、もぐもぐと余韻に浸りながら、なぜか一人解説を始めたのである。
「アーモンドのかけらがボールの周りをコーティングして、その歯触りと食感は想像のはるか斜め上をいくカリカリ感を演出してるけど、次の一噛みではそれまでのハードさから一転して、柔らかなショコラムースの世界がおいどんの口の中で広がりますたい。
それでいてムース上のクリームは表面が少し硬くてでも噛めばソフティで、まるで洗濯したてのおいどんのふんどしのごとくサラサラのサラサーティですたい。
ばってん、最初に食べたアーモンドのかけらがクリームに混じるやいなや、香ばしさとチョコクリームの柔らかさがダブルインパクトで舌の上を駆け巡る様はまさにパラダイスでごわす!」
はぁはぁと息を荒げながら残りのチョコを口の中に入れた関取の後ろ姿は、まるで戦場のピアニストのようにはかなげで、それでいてアメリカンスナイパーのように鋭い男気を醸し出していた。
「では最後の一つをいただきますたい・・」
静かに息を整えると、関取は皿の上に残った最後のチョコをつまみ上げた。ライオンの紋章が入ったそのチョコは、まさにベルギー王家の歴史と栄光を体現してるかのように堂々としていて、食べられるものなら食べてみろポルファボール!と関取を挑発しているように見えた。
「遠慮なく頂きますけん」
ライオンの勢いに恐れをなすかと思いきや、関取はこともなげにその残りの一つを口の中に入れた。しかし次の瞬間、
「アウチ!」
と叫んで、半分ほど残ったライオンチョコを皿の上に置いたのだった。
「わしに何をしたばい」
口を押えながら、チョコに語り掛ける関取。きっとはたから見れば頭のおかしい人の行状に見えただろうが、両者の間では確実に熱い何かが飛び交っているのだった。
「・・・」
沈黙を続けるチョコだったが、関取ははっきりとその意思を感じ取っていた。
「敬意を示せ、ということですかな?」
静かに見つめる関取の視線にうろたえることなく、ライオンチョコは静かにしかし威風堂々とその半分になった体を張り出していた。
「よいばってん」
関取は大きく頷いた。
「おいどんにすべてを語れというなら、遠慮なく全部包み隠さず話させてもらうたい」
そういうと、関取は正座してライオンチョコに向かって一礼した。
「それが王家に対する敬h意というもんですたい」
微動だにしないチョコ。関取は頷いて静かに語り始めた。
「その中身はおそらくリキュール、それも何かの果実を取り入れた斬新なソースですたい。おいどんの推測では南洋の果実、たぶんパイナップルではないですかな?果実の酸い味とわずかに混じった洋酒の香り、そして外側のダークチョコの濃いカカオの香りが口の中で広がって、なんともいえん、リッチな味わいをもたらしますたい。そしてそれが王家のチョコにふさわしい高貴な味わいというやつじゃなかろうですたい?」
そこまで言うと、関取はライオンチョコを再び指にとった。
「いただきますけん」
一礼し、口の中に放り投げた。
今度は何も起こらなかった。ただ美味しいパイナップルベースのムースが口の中で艶やかに広がっていくだけだった。
(きっと納得してくれたんですたい)
関取は深々と頭を下げた。
「ごっつぁんです」
関取の戦いは終わった。
これからも続くだろう果てしないロードを思いつつも、今日の実食を終えて、関取は満足だった。きっと明日はもっと美味しい戦いが待ってるに違いないですたい、そうつぶやき、関取は静かに部屋の電気を消すのであった。(終)
まとめ
どすこい小説風になってしまいましたが、チョコの感想はあますところなく語りつくしたと思います。
とにかくリッチでキュート。
本当に美味しかったです。
ラムールよ、また来年以降も幸せを運んでおくれ・・・
ということで、どうかこれに懲りることなく、次回以降もバレンタインチョコの劇空間どすこいストーリーを紡げていけたらな~と思ってますので、いつでもチョコは受け取りOKですたい。