株式会社ローゼンが展開するワッフルブランド「マネケン」のココア味レビューです。
ローゼンは日本で初めてベルギーワッフルを紹介した会社としてだけでなく、歴代の社長がベルギー国王から直々に勲章をもらっているという凄い事実に「おおお!」と。(1998年と2018年⇒マネケンの歴史/公式サイト)
そんな実は偉大なるベルギーワッフルの日本の祖マネケンのワッフルは、スーパーやコンビニでよく見かけてきたお馴染みで、それ上に駅構内で販売されているほうが有名かもしれません。
工場から配送されてきたものを加熱して販売しているのか、いつも店舗の近くを通るとすごく良い匂いがするんですよ。
バターとシュガーがほどよく混じったリッチな香りといいましょうか。
まさか中で作っているわけではないのでしょうが、あの香りはうなぎ屋の香ばしさに匹敵するものがありますよ。
そんなマネケンのワッフルのココアバージョンを今回食べたわけですが、これがなかなかのものでして。
色々言いたいこともあるのですが、それを超えて”あるもの”の味わいが心を打ったということです。
その”あるもの”とはなんなのか?
それを解明するために、早速レビューに移っていきたいと思いますよ!
マネケンのベルギーワッフル「ココア」実食レビュー
ガッツリ大きい網目が特徴のベルギーワッフルです。
ワッフルといえばホットケーキと並んで、古き良き喫茶店の定番メニューの一つですよね。
私も学生時代に行きつけの喫茶店でよく注文して食べていましたっけ。
出来立てのワッフルは香りもよく、熱々の生地にかけるバターやハニーが最高に美味いんですよね。
そんなレア・ウェルダンなワッフルと違い、市販のワッフルはそこまでの破壊力は残念ながらありません。
もちろん加熱すれば別でしょうが、今回は常温で食べるので、けっこうノーマルなんです。
でも厚みがあって食べ応え感は十分なんですよね。
でもって、香りもきっちりココアなので、チョコ好きの自分的にも全然余裕に有難いでごわす。
で、今から食べるんですが、一口齧ると「・・・うむ」という感じで。
想像(期待)していたのは、もっとカリカリの固め生地でしたが、実際には結構ソフトな「サクッ」系。
でもって、ココアの味もそこまで強くなくて、普通にソフトに「マイルドココアの風味」がさわ~っと広がる程度。
もちろん日本のスイーツなので甘さもそこまでパワーはありません。
はっきり言いましょうか?
パンチ力が弱すぎる
ということ。
男性的な食感本能を刺激するようなカリカリカリカリ!!という歯が痺れるくらいに焼いた生地とは程遠くて
「カシュッ」
「モグモグ」
な腰の弱いサウンドしか、麿は感じませぬ。
ココアの風味もマイルドすぎて、むしろ生地の小麦粉感の香りのほうが強いんじゃないか?というぐらいに、チョコの一族としてのブラッキーな個性を全然発揮できておりませんでしたよ?
そのあまりの無個性ぶりに私は、
「ふっ、しょせんは大量生産よの」
と戦国大名が敵の城をあっさり落としたときのような侮蔑の表情で、口の中で陥落しつつあるワッフルの残骸に向かって勝者の言葉をかけていました。
「もう二度と戦国ワッフルの世界に戻ってこれないように粉々にしてくれるわ」
これで今生の別れじゃ・・と南無阿弥陀仏を唱えながら最後の一撃(一噛み)を加えようとした次の瞬間・・
カリッ
と、それはやってきました。
あの慣れ親しんだ激サウンド!
食感の基本になる「固さ」への調べ!
歯を通じて脳幹に伝わる快感!
快感が予感に変わる運命の瞬間!!!!
カリカリッ
続けて新たなるサウンドがはっきりとくっきりと骨髄を通して鼓膜に響いてきた次の瞬間!(瞬間が多いな!)
う、美味しいじゃん!
と私は声を挙げていました。
口の中でいきなり味わいの世界観が変わったことに驚いたように、「NHKみんなの歌」が突如として「X-JAPANの紅」のサビに変わったときのように・・・
そしてこれを実現したのは、実は・・・
これだったということ!
これ↓
出たパールシュガー!!
真珠のような華麗さと美しさを兼ね備えながら、そのパワーは岩をも砕くブルドーザーなみの破壊力をもった「伝説の荒ぶる砂糖神」!!
「はあはあ」と息を荒げながら、私は一瞬で悟ったのですよ。
ココア生地のところどころに挟まれている白い結晶体こそが「食感」の復活を告げるスイーツの狼煙だったということを・・
甘くカリカリしたパールシュガー。
軽快な歯ごたえの心地よさ。
生地とココアの物足りなさを補って有り余るどころか、むしろパールシュガーを引き立てるために「あえて」ソフトに抑えた演出家の策略だったと思えるくらいに・・・
目を閉じ、悠久の時の流れとパールシュガーの硬質な音の調べに身を任せながら、私はしばしベルギーの田園風景を思い浮かべておりました。
おお、これこそがワッフルの故郷なのかと・・・
全てを食べ終え、目を開けた私の両目にはいつのまにか一筋の涙が伝っていました。
このときの光景と目の前に残されたワッフルの空の袋のことを生涯忘れることはないでしょう。
こうして私はまた一つ、人生の喜びを知ったのでした。(完)
まとめ
勝手に(完)としてしまいましたが(笑)、もちろん全ては大げさな誇張表現ですので、安心して普通にマネケンのワッフルを食べてください。
でもパールシュガーの食感がすごく良いというのは本当なんですよ。
思った以上にソフト路線のココアワッフルを噛んでいるうちに、ときどき歯に当たる硬質な歯ごたえは思いのほか快感をもたらしてくれるんですよね。
カリカリと甘い塊を噛みつつ、ソフトココア生地を同時に食べていると、これが思いのほか「美味しい」という感情。
たぶん全てが計算され尽くしているのでしょう。
さすがは日本初のワッフルメーカーです。
脱帽しました。
ということでですね、これからマネケンのワッフルを食べる人で「カリカリ食感」を期待しているならば、食べてから少し待つことでその至福タイムは確実に訪れますので、ぜひお待ちくださいね!