ドイツの名門チョコレートメーカー、ワインリッヒのお酒チョコシリーズです。
店頭ではほかにもラム、シャンパン、ウィスキーのシリーズがあり、しばらくウォッカとともにどれにしようか悩んだのですが、どうせなら一番強いのにしようと思い、ウォッカのチョコに決めました。
それではまずはメーカーの簡単な紹介をどうぞ。
コンテンツ
ワインリッヒとは?
ウォッカはご存じのとおり、ロシアを代表する蒸留酒。
大麦、小麦、ライムギ、ジャガイモなど穀物を原材料とし、蒸留後、白樺の炭で蒸留して作られます。
このためエタノール成分を除けば、ほぼ無味無臭無色です。
言葉の意味はスラヴ語で「少量の水」。
現代の大半のウォッカの銘柄の成分は、ほとんどが水とエタノールのため癖が少ないようですね。(「ウオッカ」より)
では、そろそろ実物のウォッカチョコレートをご覧に入れましょう。
レモンの黄色とウオッカの透明色が爽やかさを誘うパッケージ。
ほかのウィスキーやシャンパンはもう少し暖色系が濃いパッケだったのですが、この清廉なイメージカラーは、さすがは雪の国ロシアのお酒を使用したチョコだけのことはあります。
と言いつつ、メーカーは思い切りドイツです。
ワインリッヒというメーカーですが、ドイツでは有名なチョコレート会社のようで、1895年の設立以来、100年以上の歴史を誇る名門メーカーだということ。
パッケージのセンスの良さでも人気があるようですね。
確かに店頭で見たこのシリーズのパッケージはどれもハッと目を惹きましたな~
そんな感じで購入を決め、家で早速実食してみることにしました。
ウォッカレモンチョコ実食スタート!
レモンとウォッカは割って飲むこともあるので、相性は抜群といえますが、果たしてチョコレートとどういうコラボレーションを叶えてくれるというのでしょうか・・・
パッケージを開けると、そこはカカオ色の天国だった・・・
などと川端康成の「雪国」の冒頭シーンを真似て表現してみましたが、確かに色合いはマイルドなカカオ色が目に優しくて、きれいにブロック分けしつつも、角をきっちり除去して丸みを帯びさせたチョコデザインに職人の国ドイツらしいこだわりを感じます。
「見るからに美味しそうじゃないか・・・」
ため息をはきつつ、私は宝物を触るように、ブロック分けされたチョコの一つ一つを撫でていきました。チョコを愛する気持ちが講じると、こうして可愛い我が子を慈しむように「かわいい、かわいい」をして微笑ましく眺めるのが常なのです。
1分ほど撫でて眺めて気が済むと、ようやく一つ一つを食べてみる気持ちになってきました。
あと忘れていましたが、パッケを開けたときの香りは、確かにウオッカの鮮烈なフレーバーがパッと鼻腔をつきました。配合されているお酒が勝ちすぎると、チョコの風味がかき消されてただのお酒スイーツになってしまうという恐れがあったので、この時点では少し危惧したというのも正直な感想です。
ブロックから一つを切り取ると、口に入れてみました。
すると・・
(!?)
甘酸っぱいレモンの香りが最初に舌細胞を包み込みます。
お酒が含まれているので、もっと辛口の風味を想像していただけに、このスウィーティーなフルーティーさは意外でした。そして続いてきたのが、チョコのマイルドな味わい。
(これは・・・ミルクチョコレート)
ダークとかビターとはかけ離れたマイルディーな甘さに頬が緩みました。もうこうなると、ウオッカの影も形もありませんが、それはそれで抑え気味の甘さが美味しいので、このままでも十分いける、と確信した瞬間でした。
(ウオッカには悪いが・・)
アルコール度数40%以上を誇るロシアの魂があっけなくチョコレートとレモンに負けたことに同情の念を禁じ得つつも、チョコ実食家としてはこのまま行っても全然OKな気分。
ホッキョクグマの自慢の酒も口ほどにないなと軽くバカにしつつ、とりあえずミルクチョコのマイルドな味わいには熱いブラックコーヒーが合うぜということで、キッチンにキューバ産の豆を挽きに行こうと立ち上がったその時でした。
「!!!」
突然、口の中を襲った強刺激。
それも舌先にピリリと電気が走ったような、結構お強めのストロングフレーバー。
(これは・・)
それはウォッカの襲来でした。
舌先に走るピリピリ感こそ、雪の国『露西亜』が極東の中年オヤジに贈る晩春の「パダーラク」(贈り物)だったのです。
「ハッ、ハラッショー!!」
ピリピリと走るアルコール刺激に感激した私は思わず無意識のうちにロシア語で「素晴らしい!」と叫んでいました。
(この辛みそして刺激はまさに・・・!)
ツーンと鼻にくる刺激が私に対するロシアの怒りを表現しているようでした。
(完全に舐めていた・・・すまぬ、北の大地の友よ。許してくれ。そして魂を抱いてくれ)
どこかの曲のタイトルをどさくさまぎれにのたまうと、私はそのまま心の中でその歌を口ずさみながら、ゆっくりと丁寧にチョコを噛んでいきました。
しかしながら刺激はやがて薄れていき、気づいたのが、ウォッカのアルコール感は実はそれほどではない、ということなのです。
(一瞬の間だけだった)
食べてしばらくすると舌先を襲っていたピリピリ感は、やがてすぐにかき消されるように食道の彼方に立ち去っていったのです。
それは確実にミルクチョコの甘さとレモンの酸っぱさが合作して生み出したウォッカとの「スペースチョコレートオペラ」でした。
(さようなら、そして、こんにちは)
ウオッカを前後にはさんで再び到来したマイルドな甘さにご挨拶しながら、私はテーブルの上に置いたコーヒーミルを手元に引き寄せながら、少し考えました。
(しかしこのマイルドさ、そしてフルーティーな甘さだとコーヒーは合わんな。これだとむしろ番茶が合う)
と言って、番茶を取りに行こうとしながら、「いやいや、冗談、冗談」と一人ムフムフ笑いながら紅茶のティーバッグを取りに戻った私は相当の暇人でしょうか。
そんな感じで紅茶(ダージリン)を濾してちびりちびりとやりながらウォッカレモンチョコレートを食べていき、おそよ5分ぐらいで完食となりました。
海外のチョコは甘いときは、とことん甘いのが通例で、一度ではまず食べきれない糖度としつこさを感じるのですが、このチョコはスムーズに食が進み、まるで明治の板チョコレートをバリバリ食べるようにして5分足らずで全部を平らげてしまったのです。
これもウォッカの弱刺激が食感神経の働きを最大限に広げてくれたがゆえの結果だったのでしょうか?
「とにかく礼をいわせてくれ・・・スパシーバ」
ロシア語でありがとうと言うと、窓の外からカチューシャが流れてきたような気がしました(終)
まとめ
よく考えたら、メーカーはドイツなので、ロシア語とはほとんど関係ないような気がしてきたのですが(笑)、まあそのへんはネタなので、気にせずに軽く読み流してください。
チョコレートの味ですが、これはもう、レビューに書いた通りの
「マイルドな甘さ」
に尽きると思います。
ミルクチョコレートとレモンの甘酸っぱさがとにかく目立つチョコでして、両者が絶妙にコラボレートして、砂糖のしつこさを微塵も感じさせません。
食が進みすぎて5分で食べてしまったというのは本当のことで、値段が300円前後だったことを考えると、もう少しゆっくり味わって食べたほうがよかったかな、もったいなかったな、というのが食後に強く感じたことでした。
つまり、それくらい美味しかったということです。
ワインリッヒはほかにもフルーツ系のチョコを得意としているので、そちらも次回は試してみたいなと思ってます。
-
-
【ワインリッヒ】ブルーベリーチョコレート実食レビュー
続きを見る